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土壌微生物について考える②で自然界に存在する細菌、放線菌が抗生物質を作り出すことについて書きました。
その他にも農業に役立っている菌があります。


それは枯草菌と呼ばれる菌です。これも自然界に普通に存在する細菌です。
例えば、納豆菌は枯草菌の一種です。
枯草菌は、イネ科の雑草の枯れ草についていたり(納豆も稲わらで包んでつくりますね)、
もちろん土壌中にもいます。


枯草菌がどんな風に利用されているか。


例えば、バチルスチューリンゲンシスという名前の枯草菌がいます。
この菌が、イモムシをやつける毒素をつくります。
この菌がついた葉を食べたイモムシは、体内に毒素が生成され、最終的にカビが生えたように死にます。
写真のような感じです。農薬を使用していない畑でよく見られると思います。


この毒素は、実際農薬として培養、製剤され販売されています。
この農薬をBT剤と言います。


BT剤は、自然に存在している枯草菌の一種が作る毒素ですから、化学農薬ではありません。
だから、実は有機栽培でも使用できる農薬として位置付けられています。
基本的にオーガニック野菜でも使う事ができます。


でも、もう一つ違う方法でも利用もされています。
BTの遺伝子が遺伝子組換え作物に導入されているのです。
これにより農薬によって防除する必要のないトウモロコシや大豆が生まれたんですね。


写真は、大根の上で死んでいるイモムシです。おそらく毒素でやられています。
微生物は、病気だけでなく、害虫防除の役にも立っているんです。