グラフはクボタのHPより抜粋
いきなりですが、労働価値説というアダムスミスやマルクスが基本とした物の価値の決まり方の考えがあります。
農産物の価格下落の一つの説明になるのではないかと思いましてここにあげてみます。
労働価値説というのは、ざくっと言えば商品の基本的な価値は、その商品を作るために投下された労働の総量で決まるというものです。
マルクスの資本論なんかでも出てくるようです。
例えばお米を見てみます。
前回の記事で書かれている、農家さんに高価な着物をもって芋と変えてもらった戦中戦後直後くらいの時、お米を生産するのに10aあたり平均190時間の労働を要しています。
一方で今は24時間です。昭和30年と比べほぼ1/10の労働時間でお米ができるようになっています。
技術の発展などによって、短い時間で省力的に農産物ができるようになると基本的な農産物の価値は低くなってしまうということがあります。
何か手はないのでしょうか?
例えば有機栽培でお米を栽培して時間をかけてお米を生産し、お米の価値をあげようと考えるのはどうでしょう。
しかしここで難しいのは、たとえ丹精込めて有機栽培のお米を作っても、お米の価値は、社会一般でお米を作る平均的な投下労働時間を基準に判断されてしまうのです。個別的な事例はほとんど配慮されないのです。
他に手はあるでしょうか?
コメント