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私の畑では雑草を厳密に防除していない。
これは故意である(ほってあるように見えても!)
  
 
除草というのは厳密にやればやるほど雑草にとって環境を整えることになるからだ。
  
 
”雑草魂”とかいう言葉があるように、雑草は生命力があってどこでも育って強いと思われているが、実は雑草はどんな環境でも強いわけでも、すべての競争に勝つわけでもない。
 
 
例えば樹木が安定的に生えている森林では雑草はあまり生えない。そういう安定的な環境では雑草は弱い。
 
 
雑草が強いのは、頻繁に耕やされたり、除草されたりする環境下だ。雑草の強さ、戦略はそういう環境にいち早く適応することにある。
 
 
雑草はそういう「攪乱」に高度に適応した植物だ。
つまり人が農作物をつくる田畑に高度に適応しているのだ。
 
以下雑草の適応の一例である。
・ものすごい沢山の種を作って地面に待機させている。
・種は長い休眠性を持っている。(自分が生育できるタイミングを気長に待てる)
・芽がでたと思ったらすぐに種を付けることができる。
・何度も種を付けることができる。
・自殖も可能である。(雄雌が出会わなくても種ができる)
  

すごい適応だ。
  
 
どこでも見るような雑草は、皆C4植物だ。
普通の野菜はだいたいC3植物だ(栽培作物の7~8割程度と言われる)細かな説明は省くが、同じ植物でもC3植物とC4植物では、圧倒的にC4植物が優れている。
 
 
特に夏の水分の少ない環境下でも光合成能力が維持できる能力はすごい。暑くても光をどんどん利用して生長できる。
一方C3植物は、暑いと水分を逃がさないよう気孔を閉じてしまうので、二酸化炭素が吸収できず光合成能力がガタ落ちする。
C3植物は夏場の生長がきつい。
  
 
梅雨明け後、雨量が期待できない状態で、雑草をほっておくと一気に作物を追い越すのは、その植物としての機能の差だ。
  
 
だから、農作物は適度なケアが必要だ。C4より常に少し優位になるようなケアを人間がしてあげないといけない。

 
 
完璧に雑草を駆逐するのは不可能だし、雑草にとっとよい環境を作ることになると思う。